「ごめんなさい。前言撤回します」
私のビジネスパートナーのひとりである吉田さんに謝らないといけないことがある。
経緯は忘れてしまったけど、先日、吉田さんに会った際に「神田昌典」さんが話題になり、私は「あんまり好きじゃないんですよね、『一種の煽(アオ)り』ですよアレは、好きな人は、まぁやればいいと思うけど」ってなことを言ってしまった。
ご存じの方も多いと思うが、神田さんはマーケティングの世界では一部からカリスマ的な信奉を得ている方で、チラシやファクスDMといった中小企業向けの戦略・戦術に長けた人です。最近は翻訳も手がけるなど作家的な色合いが増してますが、吉田さんは印刷・販促の仕事をされているので、ちょっとファンだったみたいです。
で、昨日、午後のプレゼンが終わった後、時間があったので書店を覗いた。以前、役員として設立に参画させてもらったコンサル会社代表の4冊目の本が講談社から発売されたと聞いていたので、ちょっと立ち読みでもしようと思ったのが動機。まぁその本は思っていたような造りだったので、そのまま平台に戻して・・・(笑)スイマセン
他の本を物色していると、神田さんのコーナーが目に飛び込んできた。「相変わらず売れてるんだなぁ」ぐらいの意識下で。この時点では、まだ拒否反応の方が強かったのだが、『成功者の告白』という神田さんにしては地味な装丁の本が目に留まった。縦組みの「告白」文字の上に横書きで控えめに「成功者の」文字があったのが私が選ぶのには幸いしたのかも。
パラパラとめくるといわゆる「煽り」のノウハウ本のイメージはなく、一種のビジネス小説のようなストーリー。20分ほど立ち読みし、何度も棚に戻そうとしたが、できずに購入。そのままドトールコーヒーに飛び込み、一気に読んでしまった。ほんとに久しぶりにシンクロした感じ。
小説としての表現技巧などの巧拙はこの際関係ない。神田さんと比べるべくもないが、同じように中小企業のマーケティング・コンサルティングという仕事に身を置いてきた私自身にとって、あまりにも合点がいくところが多いのだ。そして私自身が独立にいたる、この2年ほどの動きや環境についても。この先もこの本のおかげで随分助かるかもしれないという予感とともに、いくつも示唆に富むものがあったけど、ひとつだけ引用しておきます。
『成功したいならね、偶然に注意して。偶然を偶然と思わないで』
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もう1冊、神田さんの本と一緒に買った本があります。
最近読み返していた本「バイラル・マーケティング」の著者セス・ゴーディンの新刊が出てました「バイラル・~」はちょうど、ペット関連のウェブショップにトライしていた頃(結局1年ほどで閉めちゃいましたが。ADSLの本格的な普及の前の話です)に読んだモノです。
当時はあまりピンと来なかったのですが、最近ふと手に取り、読み返すとスイスイ入ってくるんですね、不思議と。セス・ゴーディンは初期のYahooの副社長も務めた人物で、インターネットのコミュニケーションのなかでパーミッションを唱え始めた人です。
新刊は真っ赤の装丁に本人がピノキオを真似た、付けものつけた写真で登場しています。タイトルは『マーケティングは嘘を語れ!』と、これまた刺激的。
こちらは、まだパラパラめくった程度ですが、なんだか神田さんと似ている気がします。私もセミナーなんかでよく話す「ウォンツとニーズ」について、同じような想いを語ってくれているので紹介しておきます。
8万ドルのポルシェ<カイエン>と3万6千ドルのフォルクスワーゲン<トゥアレグ>は実は同じ工場で製造された、ほぼ同じクルマである。これは大変な問題だろうか。・・・・・(中略)・・・・・
事実など関係ないのだ。ひとくちに言えば、どちらがより優れているとか、速いとか、効率的だなんて、どうでもいいのである。大事なのは消費者が何を信じるかだ。
はるか昔には、人々にコモディティ(日常的な汎用品)を売って利益を得ることもできた。製品・サービスを改善し値段を下げれば、確実に成長と利益が実現した。しかしもちろん、今はルールが変わってしまった。自分よりも何かを低コストで製造できる者はいくらでもいる。明らかに優れた製品・サービスを同じ価格で提供するという優位を維持するのは難しい。
マーケターが利益を得られるとすれば、それは消費者が「必要なもの」(ニーズ)ではなく、「欲しいもの」(ウォンツ)を買ってくれるからである。ニーズは現実的かつ客観的だが、ウォンツは不合理で主観的である。何を売るのであれ、そして法人向けか個人向けかを問わず、収益性の高い成長をめざすなら、ニーズではなくウォンツを満たすべきなのだ。(もちろんその製品は、見せかけだけでなく実際にウォンツを満たしていなければならない)。


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